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Case
株式会社Ubitone
東京都目黒区
SBIR推進プログラムを通じて、視覚や聴覚に障がいがある方々のための情報・コミュニケーションデバイスを開発。2025年に事業化(大阪・関西万博への出展など)、2026年からの量産化を予定。

Overview
事業概要
弊社は、自社のテクノロジーで障害を持つ方々のコミュニケーションの壁を取り除き、すべての人がつながり、社会に参加できる未来を創るということをミッションに掲げており、我々のテクノロジーは、日常のコミュニケーションと、情報の受発信の支援を通じて、視覚や聴覚に障害がある方々の暮らしを豊かにすることを目指しています。SBIR推進プログラムの支援を受け、「Ubitoneグラブ(盲ろう者や視覚障がい者の方々の生活をサポートする、手に装着する情報伝達システム)」や「Ubitoneフットナビ(足に装着して情報を読み取るデバイス)」等、視覚や聴覚に障害がある方々の日常に役立つ複数のデバイスの開発に取り組みました。

Current Location
事業化に向けた現在地
SBIR推進プログラムを通して開発したグラブやフットナビは、視覚や聴覚に障害がある方々の生活を大きく変える可能性を持っています。2025年内の上市に向けて、読取精度の向上や、各種省庁に対する理解と認可のプロセス、さらに、視覚や聴覚に障害がある方々が日常感じている複数の課題解決に向け、時計機能、健康管理、ドアホン、火災報知器など複数の追加機能付与に向けた技術開発を進めています。
Awareness of Issues
事業化に向けた課題認識
ここまでの道のりは平坦なものではありませんでした。SBIR推進プログラム応募当時、もともと技術目標を達成できる可能性は高かったのですが、開発製品が本当に視覚や聴覚に障害がある皆さんに必要とされるか確信が持てなかったのです。 そこで、中野区視覚障害者福祉協会と社会福祉法人全国盲ろう者協会を通じて、視覚や聴覚に障害があるモニターの方々の生の声を聞く活動に注力しました。

Turning Point
本事業を通じた課題解決の分岐点

モニターの声を通じて、視覚や聴覚に障害がある方々は、コミュニケーションを図る方法が多数あり、同時に必要とする装置はそれぞれの障害の状態や行動パターンに応じて変わるものである、ということが理解できました。 ニーズが多岐にわたるということを踏まえ、スマホアプリの拡張性を持たせると同時に、これらの課題は、現在のスマホや他の電子デバイスを一捻りするだけで相対的に安価に解決可能になると判断し、複数の装置を並行して開発することにしました。例えば弊社が開発するスマホ連携デバイス群はすべてブルートゥースを使うことで機器を無線化できますし、グラブに用いた指点字話法の入力機構は携帯機器の振動ユニットを用い、出力機構は計算機の接点スイッチを用いることで指点字話法の電子化が可能になりました。さらに、スマートウォッチに視覚や聴覚に障害がある方々のための振動読取機構を付与したり、バイタル、来訪者情報などを組み込むことにも取り組むことができました。 NEDOの担当者からは、視覚や聴覚に障害がある方々に必要される技術か確信が持てずに悩んでいるときに、公益財団法人テクノエイド協会が主催する「障害者自立支援機器 ニーズ・シーズマッチング交流会」で、障がい者の生の声を聴く機会をご提案頂きました。これにより、私たちの製品開発の方向性と試作した装置の問題点について、直接顧客から硬軟含めたご意見を頂くことができ、研究開発をより充実したものとすることができました。
Action for the Future
事業の実現化に向けたアクション
事業化に向けた今後のアクションとしては、2025年大阪・関西万博までに、開発製品を一通り完成させ、年内の上市に向けた体制を整える予定です。そのためには、「Ubitoneグラブ」と「Ubitoneフットナビ」の国内特許の海外成立などにも取り組む必要があると考えています。 そして、2026年から量産化を目指しており、Ubitoneグラブで採用している6点点字という世界共通方式の強みなどを生かして、海外ユーザーの販路も主要国から広げていきたいと考えています。

Message
これから応募される事業者へのメッセージ
私たちが現在も存続し、開発を継続できているのもSBIR推進プログラムのおかげです。私たちに足りないピースを見つけ、それら繋いで頂きました。資金面、組織的なつながり、障がい者とのつながり、すべての面でサポートして頂きました。自社の技術で研究開発課題が合致していると感じたら、ぜひ応募されることをお勧めします。
