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Case
株式会社オーシャンアイズ
京都府京都市
沿岸域の気象海象情報を効率的に取得・管理・共有するシステムの開発。2026年度中の市場投入を目指し、研究開発を加速。

Overview
事業概要

弊社は、海洋モデリング技術やAI技術を駆使し、海況情報の解析・提供を行っています。海上では陸上に比べ、観測データが少なく、船舶の航行に重要な環境情報の入手が困難だという課題があります。そこでSBIR推進プログラムの支援を受け、航行中の船舶自体をIoTセンサと捉えて、体系的な観測網が存在しない沿岸海域をターゲットとした気象・海象情報の収集・管理・共有システム構築を目指しました。
Current Location
事業化に向けた現在地
SBIR推進プログラムでは、船舶からの観測データを基に、私たち独自の海洋モデリング技術を用いた 海況予測の高精度化に役立てるための基本的な技術検証を行いました。現在では、この成果を発展させ、沿岸の観測データを素早く収集し、ほぼ自動で予測データの精度向上に役立てる技術を開発しています。さらに、船舶で収集された気象・海象データを他船へ共有し、安全航行に役立つデータ共有ツールを開発すべく、船舶関連企業との共創事業も続けています。
Awareness of Issues
事業化に向けた課題認識

地上においては、インターネット環境の発達やスマートフォンなどのモバイル端末の普及でリアルタイムなデータの共有が進んでいます。一方で、海上の船舶では、自船の航行に必要なさまざまな気象・海象データ が計測されてはいるものの、それらは船員の目視での計測や、アナログ計器の読み取りなどのデータも多く、また陸上や他船とのデータ共有がほとんどされていないため、海況予測に必要な船舶データを収集することが課題でした。
Turning Point
本事業を通じた課題解決の分岐点
船舶データの収集方法を検討するために、実際に船舶で利用されている計測機器を入手し、継続したデータ収集を試験してみたり、船舶に乗船して海上で環境観測を実施してみたりと、船舶で計測でき得るデータを数多く収集するとともに、取得したデータを共有しやすい形へ変換する方法をいくつか確立したことがブレークスルーとなりました。そして、それらのデータを広く利用できるような共通プラットフォームを構築すべく、基礎的な検討を行うことができました。
これらの成果に対しては、SBIR推進プログラムの担当者による面談において、プログラム終了後の他分野での技術の応用(付加価値向上)に関する提案や、研究開発を進める上でのボトルネックの洗い出し、それらに対する助言もいただきました。また、プログラム応募時には事業化した際に想定するターゲットへのヒアリングが不十分だったこともあり、その点でも今後の事業化に向けたシステムの方向性を探る上での重要性について指導を受けることができました。
Action for the Future
事業の実現化に向けたアクション

現在は、実際の国内貨物の海上運送につながりをもつ企業との共創プロジェクトにより、船舶データ収集のPoCを進めています。同時に、ユーザーからのヒアリングを続け、船舶から収集されたデータの共有プラットフォームのデモを構築しています。
さらに、収集データの活用についても、SBIR推進プログラムで検討された基礎研究をもとに、自社で運用する予測データの精度向上は実用化しており、2026年度中の市場投入に向けて実証を含めた開発を進めています。
Message
これから応募される事業者へのメッセージ

SBIR推進プログラムは、私たちのような最新の研究開発の成果をいち早く社会実装し、人々の助けになりたいと考えているスタートアップにとって、新しい技術の研究開発から事業化に向けた検証までを幅広くサポートしてくれるプログラムだと思っています。自社の技術で研究開発課題が合致していると感じたら、ぜひ応募を検討してみてください。
