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Case
LocationMind株式会社
東京都千代田区
物流DXを支える高信頼位置情報基盤の構築

事業概要

物流業界では、2024年問題を背景にDX投資が進み、位置情報の活用も高度化しています。特に産地証明や労務管理など、位置情報の確からしさが強く求められる場面が増えています。そこで私たちは、SBIR推進プログラムにおいて、物流で扱う位置情報の信頼性・真正性を担保するセキュリティサービスの開発に取り組みました。

応募前の状態(悩み・課題)
人流分析の研究開発を進める中で、位置情報が社会インフラとして重要性を増す一方、スプーフィングなどの位置不正がもたらすリスクの大きさを早くから認識していました。しかし、海外では対策技術や市場が広がる一方で、日本では位置情報の「真正性」への理解が十分に浸透しておらず、事業化の道筋が見えにくい状況でした。さらに、みちびきの信号認証サービス開始を追い風に国内発のサービス開発を進めたいと考えていたものの、実装には大きな開発投資が必要で、単独での推進にはリスクがありました。こうした課題を乗り越え、社会実装に向けた基盤づくりを加速するため、SBIR推進プログラムへの応募を決断しました。
応募して得られた効果・メリット
本プログラムへの参加によって、位置情報の「真正性」を担保するための仕組みを、サービスとして成立するレベルまで体系的に開発することができました。具体的には、位置情報が改ざんされていないことを第三者的に証明する仕組みや、環境要因で不安定になりやすい位置情報の信頼度を評価・補完する仕組みなど、社会実装に不可欠となる複数の要素を一体として整備できた点が大きな成果です。
また、SBIRの枠組みを活用することで、実運用を想定したフィールド試験や企業との実証実験を実施 することができ、技術的な有効性だけでなく、現場で求められる使い勝手や導入時のハードル、実装に必要な機能要件といった“事業化に直結する知見”を得られました。こうした実証の積み重ねにより、当社の技術が最も価値を発揮できる領域や、サービスとして提供すべき形がより明確になり、ターゲット市場や製品方針の見直しにもつながりました。
技術開発と市場検証を並行して進められたことで、事業化に向けた現実的な判断材料が揃い、当社単独では到達が難しかった水準での検証が可能になったことこそ、本プログラムを通じて得られた最大のメリットです。

今後の挑戦

今後は、金融・不動産・アセット管理など、より厳密なセキュリティ要件が求められる領域に向けて、位置情報の完全性と信頼性をさらに高める技術改良を進めていきます。また、実運用に耐えうるサポート体制やデバイス交換・監視運用の仕組みを整備し、サービスとしての品質向上にも取り組みます。パートナー企業との連携も強化し、社会実装に向けた展開を着実に進めていく計画です。
応募検討中の事業者へひとこと

SBIRは、技術開発と市場検証を並行して進められ、NEDOの定期的なレビューや助言によって、プロジェクトの確実な前進を後押ししてくれる制度です。技術に強みがあっても事業化に不安を抱える事業者にとって、自社だけでは挑みにくい深度で取り組める貴重な機会になるはずです。迷っている方はぜひその一歩を踏み出してみてください。

